井上ひさしさんを偲んで

鎌倉在住の作家、井上ひさし氏が亡くなった。
井上さんを知ったのは、私が小学校6年のときのNHKの「ひょっこりひょうたん島」であった。
登場人物が当時としては斬新で、当時の小学生で見ていない者がいない程のヒット作であった。
井上さんは文豪と呼ばれてもおかしくない文壇で地位にありながら気さくな人柄で、
東北人独特のぼくとうさに 私は好感を持った。
ユーモアを術府的に追及した文章の達人だったと思う。
井上さんに更に親近感を持ったのは、夫人となられたゆりさんの存在からであった。
ゆりさんは旧姓「米原ゆり」、先日亡くなった大学の寮で同室のMと同級、つまり
私は歯学部で彼女は理学部だったと思う。
いわゆる同窓生である。
彼女の姉は後年、小説家・随筆家となられ近年亡くなられた「米原まりさん」
そしてお父上は山陰の有名な旧家の出で、代議士をされていた。
彼女は後光がさすように美人であった。Mも寮でギャーギャーと言っていたが、
キャンバスに彼女が歩いていると、オーラというか一際目立つ存在であった。
もちろん私は彼女を知っていたが、彼女は私を知る由もないだろう。
大学を卒業して東京に出てきてしばらくたった時、彼女が井上ひさしさんの
奥様になられたという事を知った。
(年齢差18年、井上さんには悪いが“美女と野獣”という言葉を思い出した)
どこでどういう人生をたどってそうなったのか 私は知る由もないが、
同じ鎌倉の地で働くようになったのも、なんとなく親しみと懐かしみを憶える。
あまり彼女はマスコミに出ない彼女と、どのような変化があったのか知りたいと思う今日この頃である。