田知本遥選手金メダルおめでとう

連日、リオデジャネイロで熱戦が続いている。

日本チームはロンドンよりはるかにいい成績を上げ、毎朝、涙を流しながら観戦して、選手から感動を与えられているのは自分だけではないと思う。

 

ロンドン五輪の時、ロンドン見物を兼ねてロンドンへと向かった。

観戦するのは柔道とサッカーで、柔道は男子90kg級の西山将士と女子70kg級の田知本遥の予選から決勝まで観戦するという日程だった。

会場に行ってみると日本人応援団は、成績がふるわない事もあって何やら悲壮な雰囲気だった。

私の席の前方には金メダルをとる事となるリュシ・ドコスの応援団が、村中から現れたと思われる30名程の面々で、右隣りは田知本遥の同僚と思われる日本人3人がいた。

リュシ・ドコスの父母は私のちょうど前に座っていて、入場してきた時にっこりと笑ってアイコンタクトをとっていた。

一方の田知本は顔面蒼白を通り越して青ざめていて、いかにも緊張して硬直しているという状態だった。

素人目には西山とともに勝ち目なしと判断せざるを得なかった。

とにかくオリンピックは異様な雰囲気になる。

外人は日本人のようにおとなしく見ていない。

やたらと騒ぎ、床がぬけよとばかりに足を踏みならす。

西山もカチカチで、会場はひときわ大きな顔の篠原が監督で(最近コメディアンに転向したようだが)大声をとばしていた。

この人、金メダルを取らなければ日本柔道ではないという思いの持ち主のようで、それが全体の雰囲気を悪くさせていたのではないかと思われる。

田知本は1回目はなんとか勝ったが、2回目はどこかを痛め、いいところなく敗れ去った。

優勝したリュシ・ドコスはとにかく力強かった。

相手をのんでいるという感じで、私の前に陣取った応援団の狂乱ぶりはすごかった。

オリンピックではやはり、常人の感覚では駄目で、お祭り騒ぎに乗っていく精神力がなければ駄目だと思った。

現に57kg級の松本は人間離れをしている感じで金メダルをもぎとった。

4年たち、リオ五輪が目前となり、再び田知本が出ると知った時、猛烈にリオデジャネイロに行きたくなったが、我が院のスタッフで、ブラジルに住んでいた事がある者がいて、あまりにも治安が悪いからやめよとの事であきらめた。

リオ五輪が始まって、前回とは見違えるような田知本となって現れた。

この4年間、雪辱をはらすことを目指して、あらゆる事を犠牲にして精進してきたかとうかがえた。

こちらもテレビで徹夜での応援をした。

そして「金メダル」。

ロンドンとはうって変わった田知本の笑顔があった。

今回は田知本だけでなく、レスリングの三宅やレスリングの吉田など涙なくしては見られないシーンが続出した。

こっちが年を取ったのか、それとも日本選手の頑張りが感動をよぶのか解らないが、つくづくオリンピックの素晴らしさを感じる事が多い。

4年後の東京では長男にでも任せて、せいぜい観戦と応援に行きたいものだと思っている。