東北人気質

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東北、特に三陸が激しん地震でひどい事になっている。
まさしく未曾有の大災害に言葉を失うほどだ。
らいおん歯科でも、いつも静脈内鎮静麻酔をうけもってもらっている麻酔医I先生の御実家が岩手県山田町で歯科医院ごと津波と火災で消滅してしまったとの事で、まさしく人ごととは思えない現実である。
三陸海岸といえば大学4年の夏、親友のIと札幌から東京までサイクリングで走った時、わざわざアップダウンのきつい三陸海岸を選らんだ事を思い出した。
酷暑の中、なんとかもちこたえたのは東北人の手厚い人情のおかげもあると思っている。
東北人、特に岩手県の人は寡黙で忍耐強い人が多いが、ひとたび仲良くなると情が厚くフレンドリーになる人が多い。
日本の戦後の高度成長は、コツコツと地味な努力を続けられる東北人の労働力のおかげであると指摘するむきも多い。
我が医院でも、まじめでコツコツ型の努力を続ける従業員の両親の出身地を聞くと、東北地方をあげる者も多く、私はなるべく両親が東北出身者の者を採用するようにする程である。
話は戻って、サイクリングで気仙沼の旅館に泊まった時、1泊2食5000円のところを人のよい東北のおばちゃんに頼みこんで4000円で泊まらせてもらい、夕飯に2人で“おひつ3杯のご飯”をたいらげた事があった。
さすがに3杯目のおひつの時は気がひけて、2人でジャンケンをして勝負強い私が勝ち、Iが3杯目のおひつを持ってブツブツ言いながら階下におりて、なかなか戻って来なかった。
さては3杯目を拒否されて怒られているのか、あきれられてイヤミでも言われているのかと思いきや、ニコニコとIが笑みを浮かべながら戻ってきて、まず驚かれた事とサイクリング道中の色々な話を聞かれ遅くなった事、ご飯ならおひつ3杯でも4杯でも食べていってくれと言われた・・との事で、2人で感激した。
道中、道を聞いたりすると丁寧に道を教えてくれたり、とにかく親切ですっかり東北人が好きになった。
この震災で秩序正しく配給品を分け与え、じっと耐える姿に全世界の人は感動をしている様子だ。
日本人、特に東北人はこのような過酷な天災でも冷静に受け止め、コツコツと東北人独特のねばりで跳ね返すであろう。
このような困難に対して、国民は一致団結すべきであろう。
私も素晴らしい青春の思い出をプレゼントしてくれた、心優しい三陸の人々に何らかの恩返しをしたいと思っている。