最近の事件より

元エリート官僚K氏が息子を刺殺する事件が起きた。
農林水産省の事務次官というから官僚としてはトップの人材である。
テレビを見るとK氏は息子のA氏を刺し逮捕されたのだが、なぜだか淡々として落ち着いた様子で連行されているように見えた。
息子の方は高校時代の写真が映し出され、その制服が我が母校に近似していて嫌な予感がしたが、その後の報道によって我が母校の出身者であることが判明した。
逮捕後のK氏の供述では、その数日前の川崎の事件を連想し、息子もそういった事件を起こしかねないと、思わず刺してしまったとの事であった。

私が高校を卒業して20年後、母校で同窓会があり、久しぶりに担任のT先生とお会いしたところ、
「全く君等の時は、同じ悪さをしてもかわいかったよ。今の奴らときたら全く可愛げがない」と言って、かなりおかんむりだった。
泰晴会OBのKo先生は中学高校大学と私の後輩で、ちょうどA氏と同じくらいの年齢だが、T先生と同じようなことを言っていた。
東大の合格者が増えるにつれ、ギスギスした感じの雰囲気が蔓延し、A氏と同じようにドロップアウトした者は、他の者についていけず「ひきこもり」を誘発していくのではないかと思えてならない。

K氏は官僚としての技量、そしてそのパーソナリティーは素晴らしく、昔の同僚からの評判もすこぶる良い。
何としても哀れな事件で、司法当局の情状酌量を是非ともお願いしたいと思っている。