兼高かおる世界の旅を偲んで

先日、兼高かおるさんが亡くなった。90歳だったそうだ。
従業員に聞くと、皆ほとんど知らない。
ほぼ同時期のこれまた平成昭和を彩る名優だった市原悦子の方がまだ皆知っているようだ。

私が小学校に入る頃から始まった「兼高かおる世界の旅」は、まだ日本人が世界旅行など夢のまた夢の時に始まった。
日曜日の午前中にやっていて、私の大好きな番組でかかさず見ていた。
ケネディやサルバトール・ダリに会ったり、南極点に女性で初めて到達したりで、ナレーターの芥川隆行との意気もぴったり合っていた。
30年あまりも続いた番組だった。
彼女は美人で、生涯結婚しなかったとはとても信じがたく、また言葉遣いが丁寧でおそらく「日本で一番品格のあるしゃべり方」をしていた人だと思う。
昨年から今年にかけて樹木希林や一龍齋貞鳳、衣笠祥雄、星野仙一など自分の好きだった人間が次から次へと亡くなってしまうのは世の成り行きとは思うが、極めて寂しさを感じている。
ここにご冥福を祈りたいと思います。