北海道弁

NHKの朝ドラ「なつぞら」が始まった。
毎日毎日、気が付くと涙を流している。
朝ドラファンの従業員に聞いてみると、皆泣いているとの事で、年のせいではないのだとほっとする。
北海道の十勝の牧場の出来事で、今となっては懐かしい北海道弁がよく登場してくる。

北大の歯学部は一学年40人で、道内と道外の半々だったが、北海道弁が行き交っていた。
「だべさ」とか「したって」とか「あずましくない」とか当初北海道は方言がないと思っていたが、今となっては有名になった「そだね」とか「なまら」以外にもいろいろな方言があった。
ワンダーフォーゲル部で大雪山に行った時、ピークで倒れ込むようにして休んでいると、あちらこちらから「こわい」とか「こわいね」という声が聞こえた。私はてっきりクマが出たかと思い「クマですか…」と言ったところ、先輩たちに笑われた。
「こわいっていうのは、北海道弁で疲れた、ということよ」との事であった。その他にも
「ちょす」…いじる、さわること
「わや」…すごくとか、とてもとかいう意味で駄目な場合に使う 
「あずましくない」…よくないこと、落ち着かないこと
「うるかす」…水につける
「したっけ」…そんな事言ったっけという意味
など、最初は分からなかったが、卒業頃にはだいぶ馴染んだ。
寮で同室のMは故人となってしまったが、誰もがうらやむ美女と付き合っていた。Mは「彼女は非の打ちどころのない子だったが、何かにつけて「なんもだぁー」と言われるのがかなわない」と言っていて、そればかりが原因ではないと思うがとうとう別れてしまった。
Mは言っていた。東京に戻った時、わざと女子大がいっぱいある地域のバスに乗るそうで、その時流暢な東京弁を聞くと、あぁやっぱり東京は良いと思うのだそうだ。

北海道は明治以降、東北や北陸などから開拓民が切り開いた。
もちろん関西や九州、四国からも集まってきて、そういったいくつかの文化や方言が融合され、現在のような北海道弁になったのだと思う。
私自身もなかなか馴染まなかった北海道弁だが、なつぞらの出演者の北海道弁を聞くと、今となっては懐かしい気持ちでいっぱいになる。