理事長ブログ 2019.09.01 2019.09.01lion A子さんの退職 猛暑である。 箱根の診療所の窓から眺めると、さすがに須雲川の水量も少なく、冬にはあれほどいた水鳥もどこに行ったのかと思う程、姿を見せない。 そんな折、事務のKさんから電話があり、戸塚医院の助手のA子さんから連絡があり、 「元の診療所に戻してほしいとの事でした」 A子さんは昨年まで横浜のS区の診療所で受付兼助手として働いていた。 ところが、昨秋そこの院長が突然50歳そこそこで亡くなられてしまった。 たまたま戸塚医院とその医院でWワークをしていたB衛生士の紹介で当院に面接に来ていた。 「亡くなられた先生の奥様に、再開したら戻ってきてね、と言われているので、戻ることを条件で働かせてもらっていいでしょうか」 A子さんはしっかりとした口調で、いかにも夫人に頼られそうなスタッフだと思った。 S区の診療所は小規模ながら着実な治療ゆえ、評判も高くなっていたようだ。 「いいよ、その時はその未亡人の力になってあげて。うちはそこまでのワンポイントで結構だ」 と私は言った。 何ヶ月か経ち、未亡人から、 「後を任せられる先生が決まったので、是非戻ってきてほしい」との連絡があったそうだ。 何やら聞いていてほっこり、ほっとするような話だ。 最近不人情な話が続いているなかで、いい話だと思った。 箱根の事務スタッフへ「何やらほっとする話だね」と言うと、 「本当にほっこり、ほっとします」と頷いていた。 元の診療所に戻り、未亡人の手となり足となりして頑張ってほしい。 「頑張れよ」と月並みだが言ってやりたくなった。