5月のある日

今日も朝から怒っている。
箱根に電話をすると、分院長の女医さんが電話に出てきて、
「理事長、箱根山大丈夫ですかね。
溶岩が須雲川づたいに下りてきて、診療所まで埋もれるかもしれないと思ったら、心配で心配で……」
そんな事がおきたら、日本だけでなく、世界の終わりだ。
まるっきり心配していない私が異常なのか、それともその女医が異常なのか……。

相模原から電話があり、昼休みに分院長と勤務医が、ご飯を食べに行く途中、交通事故にあったとの事。
相手は大丈夫なのかと聞くと、相手も大丈夫、自分も軽傷との事。
勤務医いわく
「でも、買ったばかりの車が大破して、どうやら廃車になりそうです。トホホ」
さすが、アメラグ出身者らしく、体はびくともしないらしい。
「歯医者が廃車かよ。シャレにもならないぞ。
もっと、自分と分院長の体の事心配しろ」
「ローンだけ残るわけだな」
「そうです。トホホ」
「しっかり働いて、返すしかないぞ」
とアメラグ君がしゃにむに働くのを想像し、そろばんをはじいている鬼のような経営者になっている自分に驚きました。