受験シーズンに思う

受験シーズンである。
我が医院の周辺でも、誰それの子弟が受かったとか落ちたとかいう声が頻繁に聞こえてくる。
先日、歯内療法のセミナーがあり飯田橋に行き、昼休みふらふらしていると、新規入学生とおぼしき人達が不動産屋の前に向かっていて、こちらもそれにつられて見てみると、何と1Kクラスの一番安いアパートで7.5万円という現実に出くわした。
自分が学生の頃、一番安いものは5000円(もっとも札幌で、3畳間に同級生が住んでいた)だったと記憶している。
飯田橋にある法政大や理科大辺りに通い、交通費がかからないとしても、アパート代(水道光熱費、電話代)+学費+食費を入れると軽く30万を突破するようになる。兄弟二人だと何と60万だ。
一方日本のビジネスマンの平均年収は422万(平成28年度の統計)だそうで、兄弟二人を大学に通わせるのは極めて難しくなる状況が浮き彫りになる現実に対し、医院の色々なスタッフに意見を聞いてみると、
「だから共働きしなければやっていけないんですよ」とか、
「どうしても少子化にならざるを得ない」とか言って決まって最後に「だから理事長先生頑張って下さい」と言う。
おいおい、いつまで俺を働かせるつもりだよと言いたくなる。

政府自民党幹部の口の曲がった先生の、少子化に対する無神経な発言も、世の中の事を本当に知っているのかと思われても仕方ないだろう。
団塊の世代から我々の時代まで、国立は月謝が1000円で、私立も3~4万位だった気がする。その当時と比べて、果たして日本は本当に豊かになったのかどうか疑問に思いながら、セミナーの会場を後にした。