バレンタインプレゼントはやめました

昨年からバレンタインデーの義理チョコは廃止にしている。
30年程前のバレンタインデーの翌日、勤務医が泣きそうな顔をして理事長室に現れた。
「理事長、オレ、クニに帰ります。」
理由を聞くと、昨日のバレンタインデーで自分だけチョコレートをもらっていないとの事。それを奥さんに問いただされたらしい。
「何しろ、技工士のA君、B君はもちろんのこと、材料屋のC君、D君まで配って俺にはくれないんですから、そんなに嫌われているなら、もうここを辞めてクニに帰ろうと思いまして」と今にも泣きそうな顔で訴えてくる。
何でも、昨日奥さんにチョコレートをもらえないのかと責められたそうで、今日持っていかないと怪しまれるとの事。
そんなことならと、事務のおばちゃんにチョコレートを買いに行かせ、衛生士の主任になぜにチョコレートをあげないのかと尋ねると、出るわ出るわの罵詈雑言で、要するに相当嫌われているので意趣返しをしたとの事。
おそろしい…。
チョコレートを買って「俺からのプレゼント。I Love You」と言って勤務医君に渡すと、やっと機嫌がよくなってきた。

昨年あたりから、義理チョコを強要するオジサンの行為はパワハラにあたるとの事で、多くの企業では「義理チョコ」をやめているそうだ。
それにならい我が法人も廃止にした。
バレンタインデーに続くホワイトデーも、たいしたものをお返しにくれないと女性陣のお怒りが何ケースか露見するので、やめてすっきりとした。

大学病院にいた40年程前、衛生士がこっそりと我が友にドキドキしながらチョコを渡すのを偶然見てしまった事がある。そのドキドキ感がこっちまで伝わってきて笑ってしまったが「ああいうのはいいよな」と思いつつも、廃止したのは間違っていなかったと思っている。