山北医院に行くと、昨日行われたI先生とN先生のお別れ会の余韻があるのか、衛生士のFさんが、I先生がカラオケで歌った松田聖子の「赤いスイートピー」を身振り手振りを入れ、I先生風に物まねをして歌っている。(非常に真似がうまい)
I先生は初めて泰晴会が研修医を受け入れた一期生で、それだけに思い入れが深く一抹の寂しさを感じている。
この曲は日本を代表する作詞家の松本隆に松任谷由実が曲を付けたもので、昭和57年にリリースされ、ちょうど私がI先生の今と同じ位のキャリアで結婚を意識し始めた頃の曲だ。
冒頭に「春色の汽車に乗って」というフレーズがあるが、どんな汽車なのかとか赤いスイートピーは存在するのか(その時にはなかったみたいでその後品種改良されて出来たようだ)と、昭和大勤務時隣の医局のK先生と語り合った事を思い出す。
いずれにせよ、昭和を代表する歌手、作詞家、作曲家の合作で、だからこそ現代でも歌い継がれているものと思っている。
それにしてもI先生、おはこはBEGINの島人ぬ宝ではなかったのか。
心境の変化かそれとも自分を思いやって我々世代の歌を歌ってくれたのか、その謎は会の終わりに結論が出た。
「理事長先生、すみません。理事長には黙っていたけれど、僕明日入籍します」
ほとんどの人間が遅かれ早かれ知っていて、知らなかったのは私だけの様子だった。
まぁ、とにかくおめでとう。
結婚式はやらないとの事で、これもまあ、現代風なのかもしれない。
私の頭の中で「赤いスイートピー」の歌詞が流れながら、そう思った。