角栄さんはえらかった

TVをなんの気なしに見ていると、田中角栄元総理が話題になっていて、大蔵官僚OBがなつかしそうに角栄さんについて語っていた。
それによると、角栄さんが大蔵大臣に就任した時に、大蔵省の若手20人を大臣室に集め、1人1人に
「君は○○君だね。しっかり頑張りたまえ。」
と全員の名前をカンニングペーパーなしで暗記していて握手をし、
「何かあったら僕に言ってきたまえ。」と言ったという。
その20人は、一挙に角栄さんのファンになったという。

ところで先日、戸塚医院の歓送迎会があった時、開業以来7年もいる衛生士2人が隣に来て、唐突に「先生、私たちの名前を覚えていますか。」ときた。
そんなの簡単だと思ったが、酔っ払っているせいか、年のせいか出てこず、とうとう前に座っていた受付さんの名前も失念して、3人分名前を言う事ができなかった。
当たり前だが、3人共失望した顔となり、暗い雰囲気がただよった。
翌日、目が覚めてみると、3人の名前はすらすらと頭の中に入っていた。
酔った事による一過性のボケか、それとも認知への第一歩か。

それにしても、田中角栄はすごかった。
今、彼が総理を仮に現在までやっていたとしたら、トランプとはさぞかし気が合ったろうし、北方領土や拉致問題も一挙に進展しただろうと考えている。
ロッキード事件は、その後の日本の為に良かったのか悪かったのか。今となっては霧の中に包まれて解らないが、戦後の政治史では特筆すべき男が葬り去られたのはつくづく残念な事だと思った。