スクールカラー(麻布、開成、駒場東邦)

総裁候補の岸田文雄がだいぶ前にテレビで紹介された時「都内有名私立高を卒業し」と聞いて、きっと開成高校だなと思いネットで調べたらドンピシャだった。
大学受験予備校の時、左隣が麻布出身、右隣が開成出身、そして後ろに居座っているのが我が母校駒場東邦のポン友Tだった。
昼休みとなると私を含めた駒東生はガバッと眠りにつく。
左の麻布君は何やら文庫本を手にしてバルコニーで読書をしている。そして開成君はどこからともなく集まってきた仲間でわいわいと数学や物理の問題を解き合っている。
校風か!?
麻布君に何を読んでいるのかと聞いたら、ぼそっと「リルケ」とだけ答えた。
受験勉強など粋じゃないというのが麻布の考えにみえた。
開成のワイワイガヤガヤは入試の直前まで続いた。
「何と仲の良い連中だろう」と同志のTと話し合った。
大学を卒業し社会人となってTとその話をすると、あの頃の開成は東大に50~60人の合格者を出す学校だったが、今となっては灘を超えて200人位となり日本一だ。
「市島、我々との差はやっぱりあのチームワークと協調性だよ。」

麻布出身の名だたる政治家は橋本龍太郎、谷垣禎一、福田康夫、平沼赳夫などなど枚挙にいとまがない。そして官僚では前川喜平など反骨精神の多い気骨のある人物が多い。ちなみにリルケの麻布君は当然のごとく翌年東大に入った。
残念ながら我が母校はこのようなきらびやかな人材を輩出していない。
開成高校を代表する気質は、私見だが岸田さんのように温厚で 敵のない協調型の人物が多いような気がする。自民党の菅政権を継いでいくのはこのままでいくと岸田さんだがそれも危うい。人がいいのは分かるが、何としても天下を取ってやるという気魂にかける気がする。
今度の選挙で少しは変貌したように思われるが、どうか少しは“麻布魂”を身につけてもらいたいと思う。