生けタコの報復(韓国儒教思想)

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分裂騒動のあったKARAが和解する事になり、熱烈なファンと自認する私はホッと胸を安堵させているところだ。
なんでも、この和解劇には“韓国の北島三郎”コト「テ・ジナ氏」が一役かっているとの事で、
やはり先輩の意見を尊重する儒教国家の韓国だけの事はあると思った。
数年前、釜山(プサン)に行った時、動いている生けダコを刺身で食べるという夢を果たすため、プサンのチャガルチネ市場に出向き、まさしくそれを食べようとした時、すさまじい怒鳴り声と共に30歳ぐらいの青年と50歳ぐらいの魚河岸関係者と、おぼしき男たちがケンカを始めた。
韓国語で怒鳴りあっているし、何を言っているかは解らなかったが、青年の方が先制パンチを中年に浴びせ、周りにいる連中は青年をはがいじめにしていたが、どうにもこうにも怒りがおさまらない様子で、はがいじめを解いて突進して行った。
高みの見物だった私は“火事とケンカは江戸の華”とばかりに身を乗り出して事の成り行きをうかがっていた。
ケンカは益々激しくなり、とどまりがつかない状態で、生半可なプロレスよりも、もっとスリリングでエキサイティングだった。
私は口では生ダコをむさぼりつくように食べ、眼はケンカの方の一点に向けられていた。
ちょうどその時「チャッカマン!」(←韓国語で待ての意味)と言いながら若い男が先導して、いかにも長老とおぼしき男性が登場し、あっという間に事態を収拾してしまった。
さすがに儒教の国と思って感心すると同時にケンカをもう少し見ていたかった私はがっかりしたものだった。
ホテルに帰ったその晩、激しい嘔吐と下痢に襲われ、おそらく昼門会したタコ君が大暴れしているのだと思った。
人のケンカを楽しんでいた自分に罰があたったと思うと同様に、韓国の儒教教育の徹底ぶりに感心し、今度はお腹の中のタコ君と私のケンカに惑わされる夜であった。