ジェルネイル(爪に色を塗るおしゃれ)がはやっている。
当院でも節度をわきまえた程度は、助手、衛生士を除いては許可をしていた。ところが最近、白とか水色とか、どう見ても医療人にふさわしくないペイントをする従業員が増えて、6月末を以て、全面禁止とした。
以前にも、ルーズソックスとか茶髪で従業員との闘争(あえて言う)があった。10年以上も前、ルーズソックスがはやった時があった。どう考えても、白衣との取り合わせが悪いのに、ルーズソックスをはいてくる衛生士がいた。
注意すると「私、冷え症なんです。」とか、のらりくらりと逃げて、どうしても頑強にやめない。中でも、そのうちの2人はほとんど毎日はいてきていた。しばらく黙っていると、私が屈服したと思って、その2人以外の他の人間も再び復活してくる。まるで、たたいてもたたいても拡がる癌細胞のようなもので、2ヶ月たっても3ヶ月たってもやめない。
とうとう私も業を煮やして、こう言った。
「これから、1回ルーズソックスをはいてくる度に、罰金を1万円とる。10回やったら10万だぞ。」
さすがにこれは響いて、ぴたっとルーズソックス騒動はおさまった。
茶髪の時もそうだ。私は茶髪が嫌いだし、医療人にふさわしくないと思っている。これも頑強に抵抗する幹部従業員がいた。
彼女に注意すると「私はもともとそういう地毛で、染めていないんです。」とか何とか言って、どう見ても染めている髪をふりかざして
そう言った。これには参った。
人権問題に詳しい友人に相談すると、それを強行するとセクハラにあたるとかで、それ以来茶髪の事は言わなくなったが、それをいいことに、赤い髪で現れた従業員がいたのは驚いてしまった。
大阪の橋下市長が、職員の「入れ墨問題」でかみつき、賛否両論となっているが、私は古い人間と言われても、市バスの運転士が入れ墨をしていて、それがちらちら見えたら、かなりの違和感は感じるだろう。
ヨーロッパサッカーを見ていると、外国人選手は当り前のように、入れ墨をしていて、それがあまり違和感を感じない。
ネイルもoffの時はいくらしてもらっても自由だと思う。仕事中onの時はやはり目立つネイルは、かなり違和感、場合によっては不快感をもたれるだろう。
普段滅多におしゃれなどしない従業員が、忘年会の時など、さりげないおしゃれを発見した時に、どきっとして魅力的だと感じる時がある。
on とoffを使い分けて欲しいと思った。
最近検診で、後輩の医院に行ったが、受付3人とも皆、ジェルネイルはしていなかった。
「さすが」と思った。白とか水色のネイルをちらちらさせてたら、その医院のトップの見識まで問われるだろう。
要するに、onとoffの使い分けをうまくやって欲しいのだ。
ネイル問題は、今後どのような形で発展し、また収拾していくのか。別の意味で楽しみにしている。