代返考、そしてK寮

先日の新聞・ラジオTVなどで自民党のW議員が、代理投票をしていると
論じられ、民主主義の根幹にかかわる問題とかで議員辞職と
騒がれている。
小生はそんなに大問題なのかなと思っている。
それよりも母親より何億円ももらって知らなかったと言っている某総理の方が
脱税として罪が重いと思っている。
そこで、またまた小生のほろにがい昔話を思い出してしまった。
大学の時、悪名高いK寮に属していた。
当時我がクラスには5人がK寮に住人としていて教養の2年間 
週2時間の独語しか受講せず過ごそうと、たくらんでいた。
当時の教授陣はおうようで出席はほとんどとらず、とったとしても
ドイツ語のK教授以外は生徒の顔を見ないので 私なぞは代筆と代返で
あとは寮で惰眠・読書三昧・山登りを決め込んでいた。
たしか生物の授業の時、私に代返がまわってきて、寮生の中で唯一マジメ人間の
T以外の3人の代返をする順番が来ていた。
ところが教室に来てみるとTがいない。「Tの代弁もしなければ」と思い
少し頭が混乱した。
そこで絶対ありえない事が起こったのだ。
なんと女子が代返をした・・・・!
A女子かB女子の声をマネして代返した。
当時の女子学生は一般的にマジメで融通がきかず代返はあり得なかった。
代弁は普通、微妙に声質を変える。
そこで小生の頭はあり得ないことが2つ重なり混乱した。
つまりTの不在→A女子の代返→そして私のTの代返
そこで混乱した私はTの返事の時に「ハイ♪」と女子のような
声を出してしまった。
最初それに気がついた笑いはクスクスからやがて大きな笑いの渦に発展した。
「やばい・・・」
おそらく私は真っ赤な顔をして机に顔を伏せていたと思う。
一瞬の静寂の後、教授は何もなかったのごとく「○○君」「ハイ」という
応答を続け、何事もなかったのごとく授業は始まった。
あの時、教授は恐らく全てを悟っていたのだろうと。
私は思う。
馬鹿学生に絶望していたのか、はたまた教授の頭脳があまりに頭がアカデミックすぎて
気がつかなかったか。
一瞬、厳重注意か運が悪ければ留年かと脳裏に浮かんだが、
ともかく私は難を逃れた。
あれから40年―
あの教授はとにかく寛容だったのだと思う。。。
全てを許せる仏様のような人であったと思う。
そしてその頃の私に、若くて傲慢で短絡的であったと思う。
今だったらあの教授、そして教授陣の人生のエッセンスのつまった授業を
たっぷりと受けただろう。そして受けたいと思っている。
満開の桜を見ながらふと夢想をしてしまう小生でありました。