視点

b530a.jpg

先日、韓国・釜山に学会に行った時のこと。
ガイドから、宿泊している私のホテルから見渡せる海雲台の浜から秀吉軍が上陸したとの説明をうけた。
日本の呼び名はいわゆる“文禄慶長の役”である。
海雲台の浜から日本を眺めると、ここから何の理由もなく秀吉軍が上陸して来たのは
さぞかし韓国の民を恐怖におとしいれた事だろうと思った。
秀吉は日本人に大変好まれる英雄の1人で、戦国の世で百姓から身をおこし、天下を統一した。
NHKの大河ドラマでも秀吉がからむと視聴率があがるとされているほどだ。
一方韓国において秀吉は侵略者であり殺人者でもある。
そんな秀吉軍をうち破った李舜臣こそが英雄である。
時折私は待合室に座り、患者さんになった立場に身を置いてみる。
そして患者さんがどういう思いで治療を待っているのかをもう一度自分に置き換えて考えてみる。
そしていつも優位な立場に立って患者さんを見ている自分を反省する。
また過去においては、受付と助手を交互に経験させた事もある。
日頃の部所とは違う立場に立ってみると相手のつらい気持ちがわかり、相手に対しての思いやりが出るためだ。
受付には受付の、衛生士には衛生士のつらい立場や言い分がある。
それを解らせるためにローテーションする。
ソウルの辻々に立っている李舜臣の像を思い出しながら、ふとそう思った。