四月雑感

○月×日
歌舞伎観劇。あちらこちらできれいどころが2、3人ひと塊になって来ている。演目は「男女道成寺」。女よりも女っぽいと言われる「女形」の研究と思われる。顔を見ていても芸妓も一流どころはきりっとしていて隙のない事を実感した。

○月△日
尊敬していた衣笠祥雄氏死去。ショックを受ける。
G党の私が、王、長嶋の次に好きな選手だった。
有名な西本の死球事件の時はテレビで観戦していて、バンといった車がぶつかった時のような音がしたのを記憶している。翌日江川が登板の時、肩甲骨を骨折しながら出てきて、死球をひたすら詫びる西本をおもんばかって、代打で出場して三球三振した。1球目はファンのため、2球目は自分の為、3球目は西本君の為に振りました、と言ったのは有名な話でスポーツマンシップに徹した穏やかな人だった。デッドボールをくらっても、いいよいいよと片腕をあげて相手をねぎらう仕草に敬服、涙が流れる。ご冥福をお祈りいたします。

○月○日
明治座に「綾小路きみまろ」を聞きに行く。超満員だが、ジジババばかり。時を忘れてお腹の底から笑う。きみまろさんは2歳上。
52歳でブレイクしたそうで、それまでは下積みの苦労をした。
森進一、こまどり姉妹の司会を長くやっていて、なかでも森進一のものまねは圧巻だった。十分な気分転換となった。