具志堅用高さんのこと


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震災のTVを毎日毎日やっている。
この間もチャンネルをひねると、岩手の被災地で小学校高学年と思われる女の子が出ていて、
インタビュアーが「なんで千羽鶴を折っているの?」と聞いたところ
「おばあちゃんの棺に千羽折って入れるの」というようないきさつがあり、鉄面皮の私も涙をおさえる事ができなかった。
もうたまりません。東北の人はえらい。素晴らしい。
忍耐強く、順番をきちんと守り、秩序正しくマナーを守っている。
計画停電だのなんだのと言っているが、東北の人の事を考えるとナマチョロイと思いつつ、
しかしながら同じチャンネルを見続ける事が出来ずチャンネルを変更すると、久しぶりにバラエティー番組に
具志堅用高が出ていて、相変わらずいじられていた。
この人、今となってはコメディアンみたいだが、れっきとした超一級のボクシング世界チャンピオンだった。
思い返すと、ハワイに30年程前、独身最期のバカンスとばかりに今は座間で眼科をやっているSと故人となってしまった同業のIと出掛け、そのころ凝っていたゴルフを○○ゴルフクラブへやりに行った。
へたのよこ好きの私が例のごとくOBをかますと、隣のホールまで飛ばしてしまい、ボールを取りに行くと、なんと具志堅氏がゴルフをやっていた。
「アブナイジャナイカ~!シヌトコロダッタヨ。ヘタクソ。」とか何とか彼が言い、そのしぐさとしゃべり方のおもしろさに私が思わず笑ってしまうと「笑ってるどころじゃないよ」と例の調子でかましてきた。
チャンピオンにKOされては大変とほうほうのていで退散したが、その言い方のおもしろさをホテルに帰って何回も口真似をさせてもらい、皆で大笑いをした。
具志堅氏はその人柄があふれていてホッとする。
震災で張り詰めた気持ちになっている時、こういう「笑い」は必要だ。
第2次世界大戦以来の試練と人は言う。
しかし東北の人々、そして我々は必ず復興する。
かつてサムソン電子の創始者の李秉氏は、日本人の特性として
「一致団結と卓越した職人芸」にあると言っていたが、日本は必ず難局を乗り切ると確信している。
最期に明治天皇の御製で締めくくりたい。
「しきしまの 大和心の をゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」